陽性症状

統合失調症の症状を大きく分類すると、陽性症状と陰性症状の二つに分けられます。
これは、別に陽性だから良い、陰性だから悪い、という事はなく、症状によって二つに分けているというだけです。

例えばエイズなどで陽性、陰性という診断結果がありますが、この場合は陽性だとその病気であると診断されたという事であり、陰性だと違うという診断結果が出たという事になりますよね。
しかし、統合失調症の陽性症状と陰性症状は、この類ではありません。

統合失調症における陽性というのは、現実ではない部分における症状を指します。
つまり、幻覚、幻聴、妄想といった症状です。
精神疾患において、最も他者の理解を得にくい症状と言っていいかもしれません。
だからこそ厄介であり、専門的な治療が必要となってきます。

統合失調症における妄想や幻覚というのは、性格や直接的な外的要因によるものは含まれません。
例えば、子供の頃から空想好きで、妄想が得意という人も結構いるかと思います。
そういうものは、当然ながら精神疾患ではありません。
また、麻薬などによって幻覚を見る場合も、統合失調症という事にはなりません。
何らかの精神的要因が、これらの症状を引き起こしているという場合に、統合失調症の陽性症状であると診断されます。

幻覚というと、かなり精神的に突飛な人が見るもの、という印象が未だに根強いですが、実際にはそうとも限りません。
脳のメカニズムの研究が進む現代では、こういった症状というのは決して一般人と遠いところにはないという事が既に判明しています。
例えば、大怪我を負って腕を切断した場合、もう腕はないのにその部分が痛いという症状に悩まされる事がままあります。
こういった事も、ある意味幻の一種なのです。